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審査員 講評<パフォーマンス部門>
  

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審査員のうちで表彰式(平成25年1月27日)に出席いただいた方による講評の概要です。
○ 細井 久雄(文化の森統括本部長・二十一世紀館長)
 受賞されました皆様方の受賞理由を審査員5名で色々協議いたしまして、総括的にまとめたものを発表させていただきます。

 まず、グランプリ「四国大学書道クラブ」さんの受賞理由といたしまして、書道のパフォーマンスだけではなく、ふるさと徳島のよさを伝えようとする心意気が伝わってまいりました。
 また、本番に向けての練習の蓄積の成果をうかがわせるパフォーマンスの躍動感、迫力が圧倒的であったことが評価されたものでございます。

 続きまして、準グランプリの「上勝(かみかつ)シスターズ」さんにつきましては、棚田の米作りの一年間を、大変うまく構成されておりました。最後までパフォーマンスのテンションを維持できており、飽きさせませんでした。
 また、出演者の皆さん方が、心底楽しそうに演じていたことで、会場の場が和んだ点も高く評価されました。

 続きまして、チャレンジ奨励賞の「チョコレートたると」さんにつきましては、昨年に続いてご登場いただきましたが、昨年に比べ、パフォーマンスが一段とグレードアップされておりました。非常に安定感があった点が評価されました。

 同じくチャレンジ奨励賞の「白圭(はくけい)」さんの受賞理由につきましては、パッケージとしての作り込みが非常に丁寧で、プログラムとしての完成度が非常に高かった点が挙げられました。元々はサックスプレイヤーだった演者が、ホイッスルにチャレンジしたことも評価されました。

 最後に、MIP賞の「エピキュリアン」さんにつきましては、ダンスだけでなく、現代社会に対するメッセージを込めたことが印象に残りました。
 また、ダンスの初心者の方も含めて、わずか二か月で本番に出演するというチャレンジ精神の高さが評価されました。

 以上、選出されました皆様方に対する評価理由でございます。おめでとうございます。
○ 小西 昌幸(北島町教育委員会事務局長)
 北島町の小西昌幸と申します。

 グランプリの「四国大学書道クラブ」の書道パフォーマンスは、元気いっぱいで迫力がありました。墨が飛んでこないことをわたしたちは祈っておりました。本当におめでとうございます。

 準グランプリの「上勝シスターズ」は、棚田の一年を遊び心満載で表現するものでした。随所に趣向が凝らされており、最後までテンションが落ちませんでした。鹿を演じられていたおねえさんも、楽しそうで良かったと思います。

 奨励賞の「チョコレートたると」のお二人は、宮沢賢治へのアプローチのセンスと高い構成力を評価したいと思います。

 もう一つの奨励賞の「白圭」さんは、入念な準備がうかがえ、美しい笛の響きが心を捉えました。

 MIP、最も印象に残った演者賞の「エピキュリアン」の皆さんは、蛸壷のように人々が閉じこもり、横のつながりが希薄になった現代社会を風刺したダンス作品を上演されました。社会性がありつつ、表現として巧みであり、飽きさせなかった点を評価したいと思います。

 それから、今日はお仕事のためこの場におられませんが、審査員の福田典彦さんからのご伝言として、阿波高校のダンス同好会「GTY(ジーティーワイ)」の方々のダンスパフォーマンスが、かわいらしくよかったとのことございます。是非、続けていただきたいと存じます。

 以下、わたくしの個人的な感想をいくつか述べさせていただきます。

 「香蘭高校放送部」の皆さんの朗読演劇に、海野十三の作品が取り上げられており嬉しく思いました。

 次に、「ミスター リズム」のお二人は、コンガとエレキベースという二つのリズム楽器での演奏では、時折、ベースアンプの発信音を用いて、一種、静謐(せいひつ)な音楽世界を構築されていた点が大変ユニークだと感じました。

 また、終盤にダンスが三つ続きました。女子高生の前に、美しい熟女の方々のフラダンスと創作ジャズダンスがございました。私にとっては熟女の方々もストライクゾーンでございます。(会場から笑い起こる。)「美穂&真理&アロハ仲間」と「なでしこシスターズ」の皆さんに、心から感謝申し上げたいと思います。

 今年は、犬の毛づくろいプラスアート作品や、ジャグリング、それから中国武術から沖縄民謡と、非常に幅広い分野のパフォーマンスが繰り広げられました。私としては、全員にグランプリをさし上げたい気持ちでございます。ご出場いただいた18組の皆さんに、心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
○ 遊道 久代(フリーアナウンサー)
 皆様、こんにちは。
 受賞された皆様、本当におめでとうございます。そして、関係者の皆様もおめでとうございます。審査をさせて頂きましたフリーアナウンサーの遊道久代(ゆうどうひさよ)と申します。
 わたくしは肩書きはアナウンサーですが、ディレクターとして映像制作の仕事も致しております。そんな事から自分も演者の立場として、色々な観点から審査をさせて頂きました。
 昨日、「Jag-Baka(ジャグバカ)」さんでしたか、ジャグリングのときに、ここ(パフォーマンスの場を指して)に審査員一同、立たせていただいて、演者の皆さんと同じ目線で会場を見た時に「何て緊張するんだろう」と、又「こんな雰囲気の中で、パフォーマンスをされていて、本当にすごいなぁ」と感じた次第です。
 本番一回だけのステージで「やりきったなぁ」と思った方、それから「いや、こんなところがまだまだやりきれなかった」という方もいらっしゃると思うのですが、それはまた次回に是非つなげていただきたいと思います。
 本当に今年も、激戦でした。審査員一同、頭を抱えてしまいました。

 では、いくつか講評を述べさせていただきます。

 まず、「四国大学書道クラブ」の皆さん。間近で拝見していて、迷いのない潔さっていうんでしょうか、きっと練習の賜物から生まれているであろう颯爽とした潔さ、清々しさ、そして、直向きさがとっても伝わってきました。本当に、スカッとするようなパフォーマンスで、とっても素敵でした。

 そして「上勝シスターズ」の皆さん。この、ご当地名の上勝隊というネーミングも素敵だなと。今、小西審査員からもお話がありましたが、棚田の米作りということで、これは私個人的な話ですが、仕事の映像撮影で、徳島県内の山間地、祖谷や一宇(いちう)、那賀町、もちろん上勝などに度々、お伺いしいます。皆さん、鹿などの獣害に悩まされていらっしゃるのを良く耳にしますし、私も、自分のカメラで網にひっかかっている鹿を撮影した事もあります。そのようなご苦労の部分などを本当にユーモラスに、とってもチャーミングに表現されていて、皆さんの弾けた感がとってもすごく印象的でした。おめでとうございます。

 そして「チョコレートたると」の皆さん。今回、初受賞おめでとうございます。宮沢賢治の世界を、こうも独創的に表現されているというのは、すごいなぁと思いました。  個人的にコトバを生業とする者と致しましても、感服しました。テンポ変え、音の強弱、そして楽器とのコラボレーション、そして、デュエットのようなハーモニー的な構成。全体を通して完成度がすごく高かったと思います。さらにまた次を目指していただきたいと思います。おめでとうございます。

 そして「白圭」さん。先ほども講評にもありましたが、サックスをいつもプレイされているという事ですが、今回、敢えてホイッスルに挑戦されたという事に心惹かれました。お声もとっても素敵なので、色々なパフォーマンスにこれからも挑戦していただきたいなと思いました。

 そして、「エピキュリアン」の皆さん。私は、個人的に皆さんのことがすごく大好きになってしまいました。何よりお子さんたちが一生懸命されているという事、今の社会の問題点を子どもさんたち自身が表現されたという事が、とっても本当に素晴らしいなと思いました。間近でダンスパフォーマンスを拝見していて、マイケル・ジャクソンのPVのような感じで、前にドンドンドンと迫ってくる所などすごく背筋がゾクゾクとしてしまいました。ダンスも勉強もスポーツも頑張ってください。ありがとうございました。

 そして、選に漏れた方について、少しだけご紹介させていただきます。

 昨年、グランプリを獲られました「カタタチサト」さんは、まだ出産されて間もないのにチャレンジされたということで、すごいなと思いました。審査員一同からも、さらなる次のステップアップを目指してください、というメッセージを承っております。頑張ってください。

 今回は、参加者の皆さんは、大学生もいらっしゃいました、高校生もいらっしゃいました、小学生もいらっしゃいました。全体を通して、学校の活動の中から、こういうチャレンジが生まれているということに、すごく感銘しました。
 顧問の先生が一生懸命支えていらっしゃるのが伝わって来ました。スポーツの世界では、「練習は裏切らない」とよく言われますが、今回の皆さんのパフォーマンスは、たった一回のステージの為に励んだ練習の積み重ね、そんな時の経過をすごく感じさせてくれるような部分が多々あり、それはなぜか切なさもあるのですが、すごく素敵だったと思います。

 そして、ふるさと徳島をテーマに、色んなチャレンジをされた方も印象的でした。「上勝シスターズ」さんももちろんそうですが、「awanoa(アワノア)」の皆さんも、昨年に続き阿波踊りを今年はひと味違うアプローチで、チャレンジされていらっしゃったのが新鮮でした。また次のステージでも頑張っていただきたいと思います。

 それから、徳島の自然が大好きとおっしゃってくださった「トリマー@パパン(トリマーパパン)」さんの美的センスも、素敵でした。

 そして、小西審査員からもご紹介があったのですが、個人的には「香蘭高校放送部」の皆さんも、「よくぞ出場してくださいました」と本当に申し上げたいです。とても期待しています。滑舌とか大変だったと思いますが、郷土徳島が排出した作家の皆さんの朗読劇なども、これから、さらにどんどん頑張っていただきたいと思います。

 今年も出場された全ての皆さんに受賞して頂きたい気持ちでいっぱいです。お疲れさまでした。又本当におめでとうございました。来年も是非、色んなチャレンジをしてください。ありがとうございました。
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