2006年12月13日

 徳島新聞社の地方部の記者さんが、こども鑑賞クラブのことを取り上げて下さいました。2年半やってきて記事になったのは初めて。地道にできる範囲で探り続けてきたことを紹介して頂けて、そのことが何よりうれしいです。ていねいに実情を取材して下さいました。参加者の方にもインタビューなどでご協力いただき感謝します。これからもがんばりたいです。(竹内記'06/12/13)

●こども鑑賞クラブ好評
県立近代美術館 趣向凝らし企画 開始2年半 年9回実施
絵や彫刻に遊び感覚で親しむ

 徳島市内の県立近代美術館が、遊び感覚で絵や彫刻に親しむ「こども鑑賞クラブ」を始めてから二年半、毎回趣向を凝らした企画で参加者を楽しませている。一般になじみが薄いとされる美術鑑賞。同館は「いろいろな作品に触れてほしい」と参加を呼び掛けている。

 活動は、同館で開かれる特別展と所蔵作品展に合わせ一回四十五分、小学生(保護者同伴も可)を対象に年九回実施。低・高学年の二グループに分かれ、謎解きや作品に隠された物語などを楽しみながら、作品を鑑賞する。
 人気があるのは「探偵カード」。トリミングされた絵の一部を見て、会場の中からその絵を探し出すなどの試みだ。このほか、絵の続きの場面を想像して描いたり、抽象画からイメージした音で詩を作ったりと、創作にも取り組んでいる。
 「体験型施設のような派手さはないが、子供たちに変わった遊び場を作りたい」と、学芸員ら四人が手探りで研究。二〇〇四年六月の展覧会から同クラブが始まった。
 誰でも気軽に立ち寄ってもらえるようにと、自由参加で申し込みも不要。昨年度は九回の実施で計三百二十人、本年度は五回で計百七十二人が訪れている。毎回楽しみにしているという藤川絵里奈さん(一〇)=富田小四年=は「じっと見ているとただの風景だけど、ゲームをした後は見え方が違う。絵の世界に入り込むような不思議な感覚になる」と話す。
 竹内利夫主任学芸員は「展覧会自体は大人向けだが、工夫すれば子供たちが自由に楽しめる場にもなる」と話している。
 次回は十六日午後二時から特別展「変貌(へんぼう)するひとのすがた ピカソの版画」会場である。参加無料だが、保護者は観覧券が必要。

【写真説明】壁に映った彫刻の影と実物との違いを話し合う参加者ら=11月、徳島市内の県立近代美術館(同館提供)

(「徳島新聞」より転載 2006/12/13)
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