2005年11月26日

3年1組のページ

やっとWeb版「クレーさんとお話しながら」が完成。(ご覧ください) 展覧会オープンから2週間も経ってしまった。これでも必死。11月12日になんとかオープンした後も、絵本のポートフォリオ、案内チラシ、と順番に宿題をこなしていって、ようやくWebにかかったのが1週間後。内容紹介ならすぐのはずが、見てくれるかも知れない小学生たちのこと考えたら、子ども向けページが欲しい!と思い立ったのが僕の悪いくせだ。できもしないことでもやっちゃおう!と夢を押さえきれない。これは明らかにパートナーの濱口先生の影響‥、ってこんなこと言ったらしかられるか。

とくせつコーナーなめて掛かったわけではないけど、やはり難しい。クレーの鑑賞シートをベースにした授業であり、その鑑賞シートも1年以上、制作に関わってきたはずなのに。子どもたちの目で見たつもりになっては、何回もアイデアがボツになる。シートの開発、展示、といっしょに作ってきた門倉さんにもたくさんアドバイスをもらった。

動画や面白い仕掛けのない簡素なWebコンテンツのことを、僕ら業界人は「紙芝居」とか言う。でも考えてみたら、紙芝居の読み聞かせほど楽しくて難しいものもない。1枚の紙を、固定された絵と文を、みんながその中に入ってきてワクワク気分の劇場に変身させねばならないのだから。そして、1枚のクレーの絵をいくつもの絵物語の回り灯籠のごとく見せてくれたのが、富田小学校3年1組の展示室での朗読会、この単元学習の山場となった忘れられない授業だったのであり、その一部始終をみんなに見てもらいたい!と、できもしないことを思い立ったのが、今回の展示企画の出発点だった。

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授業者の濱口先生はじめ、たくさんの人々の期待・不安・熱意・(それに夜なべ)を巻き込んで、いまお客さまの前にある富小コーナーの展示。こんなてんまつを知りもしない、ただ活動に励んだ子どもたちのどんどん過ぎてく時間。すべて書き込むことなど、これもまたできもしないことですが、レポートしていきたいと思います。(つづく)

 

美術を〈よむ〉展  特設コーナー

   「クレーさんとお話をしながら」 ―富田小学校3年1組の記録―
    平成17年11月12日〜12月18日
     徳島県立近代美術館 展示室3(休憩室)
            →WEBページ


単元名:「クレーさんとお話をしながら」
授業者:濱口由美教諭
活動者:徳島市富田小学校3年1組
活動時期:2005年5月〜12月
© 徳島県立近代美術館 2005-2009