2009年11月08日

座談会レポート2 作者の発言から

棚瀬伸司さん 人々にアートを近づけるという企画意図からポップアートを想起したとのこと。意外というと失礼ですが正統コンセプトに納得。僕は線描画家としてのピカソと漫画のマッチングばかり面白がっていました。

池上貴文さん 一番難解な作品とご本人がおっしゃられていたのですが、コメントをお聞きしてやっぱり難解(!)でした。元をただしていくと自分の育った風土にたどり着き…というお話し。でもこれ実は「表現」を問う場面ではわかるわかるのお話だなと思いました。

山田正彦さん いちばんたくさん語ってくださいました。もっと聞きたかったので後で質問しました。テーマであるピカソとの接し方を泣きそうなほど切り詰めて挑んでくださったのだなと感激したことです。

中山典科さん(NDC Graphics) ダルちゃん阿波へ行くとのこと。深くないなんて言っておられましたけど、ピカソとダルとの架空の出会いとは、まさに「表現的鑑賞」の直球アンサーです。自分だってモデルになってみたいよなあと、知らない間に僕もピカソファンになっているのです。

木川隆志さん ドラの肖像がここにあると伝えたいそこだけです!と。ドラが好きで好きで激写したマン・レイの写真をモチーフに。ドラを見つめる熱いまなざしにハラハラ引き込まれていく仕掛けですね。

藤本孝明さん 一枚の絵から咲いたたくさんのポスター、花々に集うハチさんになろ!というメッセージ。思いを込めればコミュニケーションなのではなく、みんなの中に動きが生まれることなんだということですよね?

新居篤志さん 座談会の口火を切ったのはコピーライターの新居さん。コミュニケーション・デザインということを考え取り組んだと。プロジェクト全編を通じて、語り方を提案してくださったのです。私たち鑑賞者の語り、そして美術館自身の語りです。
 

聞き応えのあるトークと飛田さん(ゼロ・ゴ・ゼロ編集長)の司会でした。が広報不十分でもっとたくさんの方に聞いていただけたらと、毎日反省の事務局竹内です。「どうしてデザイナーになったのですか!」とお客様から勇猛質問のおかげで、レアな生い立ちトークを聞くこともできました。クリエイターの方々、やっぱり面白いです。すごいです。