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「大正末から昭和へ−多彩な表現の試み」の詳細情報
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テーマ名称 大正末から昭和へ−多彩な表現の試み
期間 2017年10月21日(土)~2017年12月10日(日)
展覧会名称 廣島晃甫回顧展−近代日本画のもう一つの可能性
説明 晃甫は帝展でのデビュー後も版画を制作し、洋画も描こうとするなど、幅の広い関心を持ち続けていました。しかし、一九二三(大正一一)年九月に起こった関東大震災が一つの転機となります。東京を離れ、制作の拠点を秋田県の湯沢に移したのです。支援者を頼った転居でしたが、それまでの人間関係から距離ができ、日本画に専念するきっかけとなりました。  数年後、東京に戻ってからは、帝展の展覧会委員や審査員を務めるなど画壇での地位も上がりはじめます。年齢は三〇歳代後半から四〇歳代になる頃でした。ただし、この時期の作品を見ていくと、平安装束の男女(no.26)、古い中国の衣装を着た女性(no.39)など、それまでの関心を引き継ぐ個性的な人物表現を行う一方で、二羽の鳩にやさしい視線を注いだ〈双鳩〉(no.30)のように、自然を見つめる視線の幅も広がります。花鳥画も多彩に試みた時期ですが、美術界からは「洋画臭」が批判的に捉えられるなど、賛否両論が見られるようになりました。  またこの頃は、日本画の革新をすすめた国画創作協会の画家たちから、同協会への参加を誘われる出来事もありました。京都を中心とするメンバーと連絡のすれ違いがあり実現しませんでしたが、晃甫の作品は、新しい日本画を求める人たちから評価されていたのが分かります。
コピーライト 徳島県立近代美術館 2006
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