徳島県立近代美術館
学芸員の作品解説
村山村山槐多 女の顔
女の顔
1914年
木炭 紙
60.0×44.5
村山槐多 (1896-1919)
生地:愛知県
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村山槐多女の顔
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村山槐多 「女の顔」

竹内利夫

 実直な線で、画面いっぱいに女の人を描く。激しい陰影が全体をひきしめ、思いつめたような緊張感がひしひしと伝わってくる。多感な少年時代を大正期の文芸と美術に捧げた、夭折の詩人画家18才の作品。従兄の山本鼎に影響され学友と雑誌を刊行し、詩や絵画の制作にあけくれ、ボードレールやランボーを耽読する。そんな京都での中学時代を終え、上京したのがこの年である。若々しい表現力にも、何ともいえない哀感がつきまとう。
徳島県立近代美術館所蔵作品選1995 コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ
1995年7月22日
徳島県立近代美術館 竹内利夫