小林 功

徳島展示部門審査員長 徳島県立近代美術館長



  

本日午前10時から最終の審査を行いました。 今回は37組の方の応募になりまして、力作揃いで昨年に続き審査は難航したんですが、なんとか午前中に審査員の意見がまとまりましたので、順次発表させていただきます。

まずグランプリの「S.A.Ramsay(エス・エイ・ラムジー)」さん。 ひもによる線や文字が書かれたカードなどの非空間的要素を用いて、構造を隠しながら空間を立ち上がらせようとしているところがユニークである。こういったところが評価されました。

準グランプリ「穴山千代子」さん。 織物が絵画となっている。そしてしっかりした技術で素直に良いものが出せているというところが評価されています。

続きまして奨励賞、まず最初に「尾田稔子」さんです。 木の小片の集合により繊細であることが表現されている。また、場の作り方が非常にすぐれているということで評価をされております。

奨励賞「伊丹直子」さん。 平面性の限界のもとで、チャレンジとくしま芸術祭だからできる絵画への挑戦を行っている。こういうところが評価されました。

奨励賞3人目「まるおかあきこ」さん。 生命体の残骸である鳥の羽と連動するフレームにより生き物と物、そして平面的空間と立体的空間の二面が混成されているということで評価されております。

最後にMIP賞「s0gno (ソーニョ)」さんです。 目が見える見えないに拘らず、作品にアプローチできるような方法の提案が、体感することを通して見えることを考えさせる表現となっている。こういったところが評価されました。

今回受賞された皆様方には、これを契機としてさらに技術や表現力を磨いていただいて、今後とも素晴らしい作品を生みだされるよう、期待申し上げます。 それから、今回残念ながら賞を逃された皆様方の中にも、優れた作品が多数ございました。 ですので、今回の結果にへこたれることなく、引き続き来年も果敢にチャレンジをしていただければと思っております。 以上簡単ではございますが、講評とさせていただきます。ありがとうございました。