山口 雅人

株式株式会社エフエムびざん プロデューサー



  

受賞された皆様、おめでとうございます。
そして、パフォーマンス部門にチャレンジ頂いた皆様、ありがとうございました。
このパフォーマンス部門の審査は、本当に僅差で何が受賞ポイントになったかと申しますとチャレンジ精神ですね。このチャレンジ精神を審査員で相談して賞を決めさせて頂きました。そして、選にもれた方々、たいへん申し訳ございませんでした。ここで我々審査員から、ご参加いただいた方々に、お一人ずつ言葉を添えさせていただきたいと思います。

「カツオブシマシーン」さん。
インストのグループは最近とても少なくなっていまして、その中でバリエーションある選曲で、非常に楽しませて頂ました。ギターのエフェクターの使い方がとても良く、ギターの音が素晴らしい色音でした。そして選曲の中でキューティーハニーなどもありましたけれども、アレンジを2人で工夫されてとても楽しく聞かせて頂きましたし、お二人の息もぴったりで今後の活動が楽しみということに思います。そして今後なんですけれども、二人でMCを入れたり、ギターの方がアイコンタクトしたらキーボードの方が受けるとか、そういうステージ面での工夫もされたらもっと良くなるのではないかなと思います。今後ともお二人で楽しんで演奏活動を続けてください。

「草の音」さん。
クロマチックハーモニカの音色というのはとても素晴らしい音色でした。それに新田さんの朗読が被さってですね、1+1は2ではないんだなと、いうことを感じさせて頂きました。やっぱり新田さんの独自の世界観があって、新田ワールドを感じさせて頂いて非常に楽しませて頂きました。今後なんですけれども、テーマが3曲あって、それぞれ朗読して頂いたんですけれども、新田さんのお声でどういうふうに3つの色をつけていくか、3つのテーマに新田さんの世界観を色んなパターンで見せて頂きたいなということを審査員の中でお話させて頂きました。そして前回は古布を工夫されて色で見せたり形で見せたりというようなこともして頂きましたので、今回はお衣装の色を合わせて頂いたりという工夫があったんですけれども、その色彩に合わせたようなお声で声色でそういった色彩を感じるようなものを見せて頂けたら嬉しいなと思っております。

「劇団オヒトリさま」
今回本当でしたら、劇団オヒトリさま+(プラス)さんだったんですけれども、今回オヒトリさま+(プラス)のプラスの方が来られなかったと、ご参加できなかったということで非常に劇団オヒトリさま自体はご苦労があったと思います。審査員の中でですね、そのプラスがあったらどういうパフォーマンスになったのだろうと、いうことが非常に気にかかっておりまして、次回はパターンが違ったとしても、完全版を見せていただけたらありがたいなと思っております。

「ミスターリズム&ファンタシア」さん。
個人的にノイズミュージックは非常に好きなジャンルなんですが、ノイズミュージックと言われたり、インプロビゼーションといわれたり、フリージャズと言われたり、インダストリアルミュージックとか色々呼び名が細分化されて、ノイズミュージックと一言でいっていいのか分からないんですが、ノイズミュージックという非常にマイノリティーな音楽ジャンルの音楽をこの芸術祭でパフォーマンスとして披露していただいたことを僕は非常に嬉しく思います。やっぱそこにチャレンジ精神というものがあると思います。一般の方がこれらの音楽を聴くと、ドラムとギターのノイジーな音?これはいったいなんなんだろうと、思うかもしれないですね。旋律とリズムのない不規則なリズムとギターの波の中に、一瞬のグルーヴを感じるという表現しかできないのですが、次回もし聞かせていただけるのでしたら、グルーブしないグルーブの中にもう一つ、何かを足していただいて、今後、もフリーミュージック、ノイズミュージックの表現者としてこういうジャンルがあるんだと、いうことを地元の方にもっと知っていただきたいと思います。これらを総括してジャパンノイズと呼ばせていただきますけれども、そういったものを楽しみながら演奏して広めていくと、いうことにご努力いただけたら、ありがたいなと思っております。

「藤田春」さん。
個人的に藤田春さんの演奏には感動いたしました。オリジナルの歌詞と作曲でギター演奏もたいへん緊張されてのパフォーマンスでしたが、一般的に緊張しての演奏では、メロディや歌詞、伝えたい何かが、聴いている方々には伝わりにくいのです。しかし、藤田さんの場合は、審査員全員が、すごく心に迫ってくる何かを感じました。それは才能だったり、人生のご経験からにじみ出る何かだったり、言葉や音に対する感性から発せられる何かなのかもしれませんね。今後とも活動を続けてたくさんの方に藤田さんの音楽を聴いて頂けたら嬉しいなと思っております。

このチャレンジとくしま芸術祭ですが、いろんな審査の基準があります。パフォーマンス部門の我々審査員が重要視しているという部分はチャレンジしているというその熱い思いです。審査の中で、皆さんが日々努力されて、一生懸命に練習を重ねて出場されているということを評価してないわけでは決してありません。練習を重ねて熟練したパフォーマンスを見せて頂くことは非常に嬉しいです。上手な演技であることは大変重要なポイントではありますが、そこにもう一つ何か、熱い思いをプラスして頂くと、それが観客の皆さまや審査員の我々に伝わって会場一体となった、素晴らしいパフォーマンスになるのではないでしょうか?そして次回は、絶対グランプリ取ってやるぞ、賞取ってやるぞ、というお気持ちで今後も、この芸術祭にご参加頂ければありがたいなと思っております。期間中、会場においでいただいた皆様、参加者、関係者の皆さま、本当にありがとうございました。