チャレンジとくしま2014TOP
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白井 宏治
白井 宏治
株式会社あわわ総務部部長
Koji Shirai
 受賞の皆さん、おめでとうございます。それから選ばれなかった皆さんも、エントリーおめでとうございます。……ちょっと変な言い方ですが、公募展にエントリーされた皆さんのそのチャレンジをまず称えたいと思います。

賞に選ばれた方々のことは森山館長や鈴木先生からコメントがありましたので、僕は賞に選ばれなかった人達の中で、印象に残った作品の感想を言わせていただきたいと思います。

まず、カモナ・アートクラブ・ボーイズカルテットのみなさん。非常にパワフルで圧倒されました。メンバーは森下君、植松君、川端君、椎崎君……でしたか? とても感心しました。特に椎崎君のカラフルな作品のパワーというのは、大人以上の力があったんではないかと思います。次も期待しています。これからもずっと、どんどん描いていってほしいと思いました。

 あと、はるあきさんの「正直者」という作品は、非常にユーモアを持った作品だなと思って拝見しました。言葉と表現のかねあいが面白かったです。ただ、ちょっと発想の面白さに頼りすぎているかなという気がします。作られる物にもっと力が欲しかったですね。

 それから抽象画のOGAWAさんの自画像2点、興味深く拝見しました。塗り込められた油絵の具の厚みに、こう、想いみたいなものがこもっているなという気がしました。

 また、水彩画の折目早苗さんの「スケッチ旅とくしま」。それぞれ小品でしたけれど、趣味の良い、非常にセンスの良い作品たちだなと思いました。

 個人的に好きだったのは、にきまみさんの「小さなボタンの物語」。ミニマムに連続するものがストーリーになっていて、よく考えられた展示、作品づくりだなという風に思いましたね。目線の高さで見ていくと、所々ちょっと上にあったり、すぐ足下にあったりして。思わず踏むところだった、みたいなヒヤヒヤも、楽しく体験させていただきました。

 もう一つ非常に好きだったのは、ろうけつ染めでジャズのアルバムのジャケットを作られていたMUSIK GALLERYさん。ろうけつ染めという技法が、こういうものと結びつくのが非常に面白くて、そこはチャレンジとしてすごかったなと思うのですが、技法と結びついた表現の、何を表現するかというところをもう一度見つめ直していただきたい。次に期待しています。

 実は、もう一つ好きがあるんです。ROROICHIさんのイラストレーション。ものすごい美人が描かれていて、ああ、男は美人画に弱いなあと思いました。非常に細かく書き込まれていて丁寧に作られていたように思います。次も期待しています。